小児皮膚科では、お子様に多いとされている下記のような皮膚疾患の治療を行っています。
主な症状・疾患Main symptoms / diseases
治療についてAbout treatment
お子様の肌は皮脂分泌が少なく、非常にデリケートで乾燥しやすい傾向にあります。また免疫力があまり高くないため、様々な感染症にもかかりやすく、皮膚の病気についても症状が変化しやすいといった特徴があります。
適切な治療と適切なスキンケアで皮膚の状態を改善していくことができますので、少しでも気になるようなことがあった場合は、早めに診察を受けることをおすすめします。
小児皮膚科ではIn pediatric dermatology
当院では、お子様が病院嫌いやトラウマになってしまうことのないように、小児処置の際にはできる限りリラックスした状態で治療を受けていただけるようにドクターやスタッフも心がけております。
水いぼの処置やいぼの治療の際には患部に痛みや出血を伴うことがあるため、当院では保護者の皆様に3つのお願いをしています。
- 1.処置について、お子様にしっかりとお話をしてください
- 2.処置中に、保護者の方にお手伝いをお願いすることがあります
- 3.お家に帰りましたら、お子様に「頑張ったね!」とたくさん褒めてあげてください
お子様が処置を嫌がって長時間泣き止まないような場合には保護者の方にご相談の上、治療を見送らせていただく場合もありますので、ご了承ください。
また、お子様の年齢に合わせたスキンケアや紫外線の予防などに関してもアドバイスさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。
主な疾患Disease
乳児湿疹
早いケースでは、生後2週間から見られることもある乳児湿疹。子供の肌はバリア機能も発汗機能も未熟で、トラブルを起こしやすい状態にあります。
適切に治療しないと赤みや乾燥、かゆみが広がってくるケースもあります。
最初は驚くこともあるかもしれませんが、慌てずに対処していきましょう。
- 治療法
- 保湿をしっかり行うこと、擦り過ぎなどの刺激を避け、肌着は綿のものを使うのが基本です。
入浴時には熱いお湯を避け、強くこすらないように気をつけながら洗いましょう。石鹸の使いすぎは禁物です。入浴後にも早めに保湿剤をたっぷり塗ってお肌のトラブルを予防しましょう。
水いぼ
水いぼとは、ウイルスが皮膚に感染することでできるいぼの一種で、1-2mm程度の白い丘疹です。水いぼを掻き壊してしまうと、周りに広まることがあるため日常生活でも注意が必要です。ウィルスに対する免疫が完成すると、自然治癒が望めます。
- 治療法
- サイズが大きい、かゆい、なかなか治癒しない、プールに入れないなど摘除ご希望の方には、麻酔テープを患部に貼っていただき、なるべく痛みが少ない状態にして水いぼ除去を行います(初回の治療は5~10個以内です)
あせも
夏など高温多湿に状態のときに生じやすく、汗腺の排出障害でおこります。
典型的には、胸部や背部などの汗のかきやすいところに生じます。悪化すると細菌感染を合併することもあります。
- 治療法
- シャワーなどで清潔を保ち、汗をかきやすい環境を避けましょう。
とびひ
とびひとは、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌による皮膚の感染症のことをいいます。
ジクジクした湿疹が生じ、それを触った手でほかの部分を掻いてしまうと湿疹が次々に広がってしまいます。
- 治療法
- お薬1日2-3回塗って、患部を触らないようガーゼなどで保護しましょう。爪は短く切りましょう。
- 入浴・プールは控え、毎日シャワーできれいに洗い流しましょう。
- 症状の強さによって抗菌薬の内服と外用を使い分けます。
アトピー性皮膚炎
増悪、寛解を繰り返す、かゆみのある湿疹を主とする湿疹で、皮膚の最外層の角層バリアーが弱いこと、皮膚が乾燥状態にあることが原因とされています。皮膚は成長していく中で、バリアー機能も強くなり、免疫学的抵抗力もついてきますので、年齢により皮膚炎の状態や悪化因子が違ってきます。つまり、その時期に応じた適切なスキンケア、加療が必要です。
- 治療法
- 1,薬による治療
- 2,悪化原因の検索除去
- 3,スキンケア・バリア機能の強化(熱いお湯や長風呂を避ける、石鹸で洗いすぎない、肌着は綿100%、入浴後すぐに保湿剤を使用)
手のひら、足の裏、口の中の発疹と水疱を特徴とする夏季に流行するウィルス感染症です。経口・飛沫・接触などにより人から人へ感染します。軽いのどの痛みと食欲低下などが大半で、ほとんどが1週間から10日程度で自然に治ります。
- 治療法
- 自然治癒をまちます
口の中にできた水疱が痛い場合には、熱いものや塩味・酸味がきついものは避けましょう